接骨院ってどんなところ?
- 2023年6月17日
- お知らせ
整形外科を受診される前に、まずは接骨院を訪れるという方が結構おられます。
また診察が終わった後に、接骨院へ通っても良いですか?と尋ねられる方も結構おられます。
さて、そもそも接骨院とは何なのでしょう?
みなさん実際のところご存知なのでしょうか?
私も所属している大阪臨床整形外科医会のホームページに、接骨院についての説明が記載されていましたのでご紹介させていただきます。
接骨院ってどんなところ?
接骨院(ほねつぎ、整骨院)は
柔道整復師が施術する施術所※です。
(※医療機関ではありません)
原因が明らかなケガに対して施術します。
原因の明らかなケガって何?
何かをして(原因)
ぶつけたり(打撲だぼく)
ひねったり(捻挫ねんざ)することです。
場合によっては、骨が折れたり(骨折こっせつ)、
関節がはずれたり(脱臼だっきゅう)していることもあります。
接骨院で健康保険(保険証)は使えますか?
原因が明らかなケガによる
「打撲・捻挫・骨折・脱臼」
に対し、健康保険(保険証)が使えます。
(骨折・脱臼については、応急手当以外は医師の同意が必要です。)
健康保険(保険証)が使えないものは何?
ケガではないものです。
例えば、
肩こりや筋肉疲労、慢性の関節痛や腰痛、
運動のやりすぎで体が痛くなったなどです。
これらに健康保険(保険証)を使ってしまうと…
療養費の不正受給になってしまいます。
接骨院と医療機関(整形外科)の両方に通院できるの?
医療機関(整形外科)で医師が治療を継続しているケガ
に対して柔道整復師が施術を行ったとしても、
療養費を支給することは
健康保険法において認められていません。
つまり…
健康保険(保険証)は使えません
交通事故で接骨院にはかかれるの?
打撲・捻挫と、応急の手当てとしての骨折・脱臼であれば、損害保険会社が認める限り、通院は可能です。
しかし、接骨院では診断書を作成することができません。
診断書は医療機関でしか作成できないのです。
もし接骨院に通院し、時期を経過して医療機関を受診したケースや、最初だけ医療機関を受診しその後接骨院に行き、また最後に医療機関を再受診するケースでは、
自賠責様式の診断書や後遺障害診断書の作成は断られる可能性があります。
それは患者を診察していない期間の症状経過が不明であることと、患者の訴える症状が事故によるものであるとの医学的な証明ができないためです。
接骨院にかかるときに注意してほしいこと
1.ケガの原因をはっきり伝えましょう
ケガでなければ健康保険(保険証)を使うことはできません。
2.受付の時、白紙に署名を求められるかもしれません
これはあなたのかわりに柔道整復師が健康保険組合に療養費を請求することを許可するものです。
例えるなら、金額の書かれていない白紙の小切手に署名するようなことです。
できるだけ毎回金額を確認しましょう。
3.領収書をもらって保管しましょう。
後日健康保険組合から療養費について照会文書が届くことがあります。
その際に必要になります。
領収書は無料でもらうことができます。
健康保険組合から照会文書が届いたら?
接骨院によっては、健康保険組合から照会文書が届いたら
書き方を教えるので持ってきてと言われるかもしれません。
でも、これは自分で記入すべきものです。
答えられる範囲で良いので自分で記入しましょう!
照会文書で尋ねられることの例
1.ケガかどうか
2.ケガした部位
3.ケガをした状況(いつ、どこで、何をして)
4.施術内容
5.ケガをした原因や受診した理由を接骨院の方に説明したか
6.施術を受けた期間、日数、治療費、現在の状況
7.「療養費支給申請書」の委任欄に自分で署名したか
最後にお願いです。
柔道整復師の施術の療養費の適正化(不正の防止)について、
厚生労働省、有識者、健康保険組合、柔道整復師が協力して取り組んでいます※
※柔道整復療養費検討専門委員会といいます。
2012年から2021年8月6日までに計18回開催されています。
◎柔道整復療養費に関する議論の整理の主な内容(平成28年9月23日)
1.支給対象の明確化に向けた個別事例の収集
2.不正の疑いのある請求に対する審査の重点化
3.療養費詐取事件等への対応強化
4.適正な保険請求を促すための施術管理者の要件強化
柔道整復療養費の適正化に向けて国民みんなで協力していきましょう!